ENGLISH E-mail HOME ORGANIC FESTA in Tokyo 2005 オーガニックフェスタin東京2006 ORGANIC FESTA in Tokyo 2005
 
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オーガニックとは?

オーガニックとはライフスタイル>>>

オーガニックというのは、単なる農法のことだけを指すのではありません。これからも、孫もそのまた孫の世代もずっと健康で豊かに住み続けていくための生き方の選択です。

21世紀は水の世紀と言われています。ヨーロッパなどでは、どのように水を確保するかが真剣に討議されています。日本では雨も多いのでさほど重要視されていないかもしれませんが、どこに行っても「節水に注意しましょう」という標語が見られる地域もあります。今世紀は水の取り合いによる戦争が起こると予測されているほどですから、限られた水資源を汚染するわけにいきません。しかし農地に薬を撒きますとそれが染み込んで、やがて地下水にまで到達します。私たちは地下水をくみ上げて飲料・生活に使用しているわけですから、地下水が汚染されれば生きていけなくなるのです。今でも消毒して飲んでいるのだからそれでいい、という人がいたら、地球というのは密閉された容器と同じで、水は繰り返し循環していることをよく考えてください。汚せば汚すほど、次に巡ってくる水も汚れていく。きれいに戻すには、それだけ余分な時間もエネルギーもかかるのです。オーガニック農業という方法は、この、生きていくためにどうしても必要な水を守るためにも、ぜひ取組まなくてはならないことの1つなのです。

では、オーガニック農業とはなんでしょうか。
それは、まず植物に直接栄養を与えない。つまり大地の生命活動が作り出す栄養分を植物がきちんと吸い上げる。植物本来、土本来の姿で生産するということです。
それから危険な化学物質を用いない。危険な、というのをつけたのは農業といえども産業ですから、産業として成り立たなくてはなりません。自然農法といって、外からのものは一切持ち込まず、耕しもしないという農法がありますが、弥生時代から農耕を行うようになって以来、人間は耕し、その都度考えて油粕を入れるとか、いわしを肥料にするとかいろいろ考えて行ってきました。オーガニックはこれを全て否定するというわけではありません。危険な化学物質というのは、20世紀になって、今の化学農業のためにいろいろ生み出された物質で、それは使用しないということです。
そして遺伝子操作を行わないということです。遺伝子操作は抗ガン剤などで注目を浴びていますが、閉じた空間である研究室の中で行う分にはまだいいでしょう。ところが農地というのは広いのです。この広い農地において、こうした技術が使用されると将来どんな事態を招くかわからない、私たちが住めなくなるようになることもありうるのです。ですから、これを行わない。この3つを踏まえたのがオーガニック農業です。

つまりオーガニックというライフスタイルから登場したのがオーガニック農業なのです。
オーガニックと地方活性化
オーガニックの耕地面積比率は、オーストリア、スイスで10%超、イタリアで9%と、山国で特に盛んです。これには国際経済的な要素があります。
山国では、フランスなどの平地国と違って、農家一軒あたりの耕地面積は非常に少なくなります。こうした農家では、規模の経済が成り立たないため、コストが高くなります。生き残っていくためには別の付加価値をつけなければなりません。
特に現在、アメリカはWTO農業交渉で、日本とEUに対し、農業補助金の打ち切り、市場開放を要求しています。こうした国際圧力に対抗するための手段として、オーガニック農業が注目されているのです。
これは「グローバリゼーション」問題の一つとして、きわめて重要な意味を持っている問題です。

これまで、自由貿易は善、貿易障壁は悪、という考え方が一般には広く支持されていました。ところが、アメリカがその巨大生産体制の力で農産物を輸出してくると、日本やEUなどの国の農業は壊滅的な打撃を受けます(日本では中国からの農産品や繊維製品でも、このような事態が起こっています)。特に、小規模の傾斜畑が多く生産コストが高い山国では、市場開放などしたら農業は壊滅してしまいます。
農業は地方経済を支える最も重要な産業です。地方経済が崩壊すれば、都市を含む経済全体の破綻につながります。そこでヨーロッパでは、国を挙げてオーガニックによる農業生き残り政策が採られたのです。
◆地方発展政策◆

オーガニック農産品は、前述したように、大規模化学農業に比べてコストが高くなります。その分は商品の価格に反映せざるを得ません。
 「オーガニックはいいかもしれないが、高い」という人が多くいます。確かに、現在のオーガニック専門店で売られている野菜や果物は、通常のものより高くなっています。
環境問題に関心の高い消費者は、これについて理解を持っています。健康に安心ということもありますが、化学農業は、環境汚染のコストを現在払っていないから、価格上の優位を保っているだけであるということ、そしてこの状態を続けていけば、将来途方もないコストが発生するだろうということを、理解しています。
しかし、いくらオーガニックでも、青天井に価格が高くなりすぎては、消費者は買いたくても買えません。
環境保護のためには必要、しかし個々の消費者がそのコストをすべて支えることはできない――このジレンマを解決する必要があります。

この観点から打ち出されたのが、「地方発展政策」と呼ばれるものです。
農村の環境を守るということは、都市の住民にとっても重要なことです。上流の農村で水が汚れれば、下流の都市は被害を被ります。生態系が破壊されれば、社会全体に影響が及びます。そして都会の喧騒を逃れて地方の緑の中で休日を過ごそうとしても、農村が崩壊してしまっては、その望みもかないません。農家は都会人の田園を守ってくれる存在なのです。だから都会人には農家を守る責任があります。化学農業で作る安価な農産物を買うことは、農地汚染を引き起こすことです。
ですから、国が費用を助成して、オーガニック農業を育てることは、農地の環境を守ることに貢献し、ひいては、国全体、地球全体の環境保全に貢献することです。これが、「地方発展政策」の根拠です。

オーガニック農業を支援することで、水や土の安全を保障することは、都市住民にとっても歓迎すべきことでしょうが、農産者の側にもメリットがあるはずです。実際のところ、農産者の多くは、農薬の影響を最も身近にこうむるのは自分たちなので、できれば使用したくないと考えています。
EUでは、この政策のもと、オーガニック農業にかかるコストへの支援が、様々な形でなされています。
まずは、転換に際しての支援です。オーガニック農業は、転換後、田畑の微生物環境が回復するまでは、収穫が質量ともに悪化します。三年ほどすると落ち着いてきますが、その間農家は収入がほとんどなくなってしまいます。そこで、この期間に補助金を出して収入補填をしてあげることが必要です。
また、オーガニックの認定を受けるには、検査の費用がかかります。これについても助成することが大事です。
また、収穫された農産物がスムースに流通するためのシステム作りも重要です。一般の農産物と混じらないように流通・加工する選別場や倉庫も助成の対象になります。
もちろん、オーガニック農業に関する知識・技術の普及も大切なことです。化学農業をやっている人がどのようにしたらオーガニックに転換できるのか、まだ慣れていない人が生産性を上げるにはどのようにしたらよいか、そういった研修会・講習会が自治体の補助で行なわれています。
こういったことをオーストリアやイタリアだけでなくEU全体が行なっています。
このような助成システムができていけば、オーガニック農業の生産性の低さは、逆に利点となります。

これまで、EUでも日本でも、農業保護のために農産物の高値安定をはかってきましたが、それは補助金をつけて生産調整を行なうというやり方でした。ところがオーガニック農業は土地生産性が低くなりますから、生産調整をする必要がなくなります。つまり、これまでまったくの遊休地に払っていた無駄なお金を、健全な農地のために振り向けることができるのです。
また、農薬で管理する化学農業ではほとんど人手を使いませんが、人が管理するオーガニック農業では多くの労働力を必要とします。農村での雇用が拡大することになるのです。これも、非就業労働者へと払われる失業手当が、健全な農業に振り向けられることになります。つまり、雇用問題の解決と、失業対策費の低減に寄与するのです。

 
◆日本農業のオーガニック化◆

  −農地の証券化と農業株式法人の提案−


日本の農家は高齢化が進み、3分の2以上が65才を超えています。さらに、棄耕地、捨てられていく農地がたくさんあります。我々の先祖が苦心してつくってきた財産が継承されない。その結果が、食糧自給率40%です。長年にわたる化学肥料と農薬の大量使用で日本の農地土壌は砂漠並みの微生物量になってしまいました。ですから土壌が栄養を作れなくなってしまいました。化学肥料の原料はほとんど輸入に頼っています。もし化学肥料が入ってこなくなることを想定すれば自給率は20%以下まで落ちます。危機的状況です。こんな状況になっているのは先進国では日本だけです。

産業というのは、土地・資本・労働の三つの要素が必要ですが、日本の農業はこれら三つが全て欠けており、とても産業とは言えません。こうした状況を何とかしなければ、日本の農業は続きません。
この原因は地方を置き去りにした経済発展により、誰も農業の本当の意味を考えてこなかったことでしょう。問題解決には、社会全体で農業を支えていくように方向転換するしかありません。つまり都会人が農業に関与するのです。都会の人たちが農業のことを考える第一歩が食育で、目指すところは消費生活と自然を結びつけることです。都会人は地方から乖離しすぎてしまい、農業をイメージできません。まず食を通じて、農業や地方を大切に思う気持ちを持ってもらうことが必要なのです。
その上で、農地の証券化と農業株式法人の二つの方法で、都会が農業に関与できる仕組みを作ることを提案いたします。

まず、農地の権利を底地権、土壌権、使用権の三つに分けます。底地権は登記し農家に残し、土壌権は証券化し都会の人たちに買ってもらい、農村のステークホルダーになってもらいます。農地を耕す権利は営農法人に貸し出します。
農地証券化と呼んでいますが、証券化するのは、汚染除去して土壌改良をした価値ある農地の土壌ストック部分のみです。まず、農協や自治体が、組合員などから農地土壌改良を申請してもらいます。土壌改良で今後も使えるきれいな農地に変えるには資金が必要です。JASの基準を取るには3年間農地を寝かさなければなりませんが、上部の土を重機で掘削して、浄化プラントで浄化して戻すといった方法であれば、何年も待たずに即座にきれいな農業、環境農業が可能になります。この事業を証券による資金を使ってやる訳です。

事業資金を貸付ける機関として、土壌改良の基金が必要です。その基金から農協や自治体がお金を借りて土壌浄化改良事業をします。きれいになった農地は格付け機関が格付けを行い、農協や自治体が、格付け×面積で担保価値を算定してそれに見合った証券を発行します。都市住民は市場を通じてこれを購入。入ってきたお金は基金に返す訳ですから、少ないお金で大きな事業が展開できます。
都市住民にとって、証券購入のメリットは3つあります。まず配当はお金ではなく農産物とします。安心できて美味しい旬の野菜、果物、お米です。そして有事の際の頼れる避難先という保険。さらに子孫へ継承する財産としての価値です。
都会の人たちは農地の権利の一部を買う訳で、ステークホルダーとして自分が投資した土地がどうなっているか視察にも行くでしょうし、生産物に誇りを持ってPRしてくれるでしょう。こうしたことを通じて都市と農村の交流を活性化します。

こうしてできたきれいな農地は個人農家ではなく、継続性のある営農法人が耕作するものとします。その業法人の資本も株式という形でやはり都会から出してもらう。労働の面でも帰農・新規就農というと、起業リスクがありますが、農業法人という形になれば雇用関係であり、都会の人達にも気軽に転職してもらえます。こうして、土地・資本・労働の三要素が生まれ、農業が産業として成立します。


ヨーロッパでは、国が環境保全農業の数値目標を発表しています。日本も政府が主導的な立場をとるべきです。そして、必要な助成措置、農業技術研究・教育、選別加工場の建設など新たなインフラが必要になりますし、自治体や農協の役割も変化します。認証制度や流通のあり方も含めて、国民的な議論を起さなければなりません。

オーガニックなライフスタイルは、グローバリズムに対する砦です。私達の生活、日本を守る砦です。そして、地方経済に貢献し、環境保全も同時に達成できるのです。これこそが日本農業を活性化させる切り札だろうと思います。ヨーロッパがやっていることを上手に使いながら、どうすれば100年後も日本という国を成立させられるのかを一緒に考えてください。