オーガニックというのは、単なる農法のことだけを指すのではありません。これからも、孫もそのまた孫の世代もずっと健康で豊かに住み続けていくための生き方の選択です。
21世紀は水の世紀と言われています。ヨーロッパなどでは、どのように水を確保するかが真剣に討議されています。日本では雨も多いのでさほど重要視されていないかもしれませんが、どこに行っても「節水に注意しましょう」という標語が見られる地域もあります。今世紀は水の取り合いによる戦争が起こると予測されているほどですから、限られた水資源を汚染するわけにいきません。しかし農地に薬を撒きますとそれが染み込んで、やがて地下水にまで到達します。私たちは地下水をくみ上げて飲料・生活に使用しているわけですから、地下水が汚染されれば生きていけなくなるのです。今でも消毒して飲んでいるのだからそれでいい、という人がいたら、
地球というのは密閉された容器と同じで、水は繰り返し循環していることをよく考えてください。汚せば汚すほど、次に巡ってくる水も汚れていく。きれいに戻すには、それだけ余分な時間もエネルギーもかかるのです。オーガニック農業という方法は、この、生きていくためにどうしても必要な水を守るためにも、ぜひ取組まなくてはならないことの1つなのです。
では、オーガニック農業とはなんでしょうか。
それは、まず植物に直接栄養を与えない。つまり大地の生命活動が作り出す栄養分を植物がきちんと吸い上げる。植物本来、土本来の姿で生産するということです。
それから危険な化学物質を用いない。危険な、というのをつけたのは農業といえども産業ですから、産業として成り立たなくてはなりません。自然農法といって、外からのものは一切持ち込まず、耕しもしないという農法がありますが、弥生時代から農耕を行うようになって以来、人間は耕し、その都度考えて油粕を入れるとか、いわしを肥料にするとかいろいろ考えて行ってきました。オーガニックはこれを全て否定するというわけではありません。危険な化学物質というのは、20世紀になって、今の化学農業のためにいろいろ生み出された物質で、それは使用しないということです。
そして遺伝子操作を行わないということです。遺伝子操作は抗ガン剤などで注目を浴びていますが、閉じた空間である研究室の中で行う分にはまだいいでしょう。ところが農地というのは広いのです。この広い農地において、こうした技術が使用されると将来どんな事態を招くかわからない、私たちが住めなくなるようになることもありうるのです。ですから、これを行わない。この3つを踏まえたのがオーガニック農業です。
つまりオーガニックというライフスタイルから登場したのがオーガニック農業なのです。